昔話をひとつ(2)
会社には普通、会計監査や業務監査をする監査役がいるものです。
ロト王の会社、TL社にも監査役会はありました。
普通なら・・・ロト王のような"為たい放題"は監査役会でストップがかけられるものです。
でも、何故かこのとき、TL社の監査役会は何もしませんでした。それどころか当時の監査役会長は、地区長の承認などで、むしろロト王の"手助け"をしたと言われています。
実は・・・監査役会長とロト王はずっと以前からの親友でした。
また、二人は同じ政党に所属する州議会議員でもあったのです。
ロト王がTL社の王様に君臨していたとき、親友の監査役会長は、当時バーデン・ヴュルテンベルク州の財務大臣職にあり、そして州都と同じ名を持つサッカークラブの会長でもありました。
監査役会はどうしてロト王の勝手を黙認していたのか
・・・噂ですが、ロト王は度々この親友の監査役会長(以下M氏と呼びます。有名な略称は別にあるのですが、とりあえずここでは伏せておきます。)に、『特別出張手当』なるものを渡していたと言われています。
TL社には年間1500万マルクにのぼる、くじの小額賞金のプール金があったそうで、M氏への『特別出張手当』は、ここから年間500~600万マルクほど支出されていたと言います。
さらに、M氏は、ご自身が会長を務めるサッカークラブの、元センターフォワードでM氏と同じ政党の市議会議員だったHermann Ohlicherを地区長に"推薦"したとも言われています。別段何をしなくとも大金が入る地区長のポストは、誰もがなりたがる人気ポストでした。鶴の一声で、Ohlicherは地区長に選ばれたそうです。
また、M氏のサッカークラブで当時キャプテンを務めていたBuchwaldは、当時TL社の広告に出ていたのですが、この契約に関しても妙な噂がありました。この広告出演契約は、M氏の一存で決定されたもので、M氏は選手に支払われるべき契約料の一部を、自分の懐に入れていたと言うのです。・・・真相は今も藪の中です。
ロト王の王宮宝くじセンターには、M氏の名が付けられたM氏専用のビール貯蔵室まであったそうです。
これほどまでの私物化が問題にならないわけはなく、ロト王はとうとう逮捕・起訴されました。
監査役会長M氏も1ヶ月にわたって検察の取り調べを受けたのですが・・・
なぜか『不起訴』になりました。
噂では・・・同じ政党に所属していた当時のバーデン・ヴュルテンベルク州首相が、これを命じたのだと言われています。
では、州議会はどうしたのでしょう?不正が罷り通るのを指をくわえて見ていたのでしょうか?
・・・時はM氏に味方していました。
州議会は州議会議員選挙を間近に控えていて、M氏の政党と連立を組んでいたドイツ社会民主党は"連立"を優先しました。野党はいかんせん議員数が圧倒的に少なく、M氏の財務大臣職辞任を要求しましたが、数の論理に押し潰されてしまいました。
もうひとつ・・・この騒動で、オーブリッヒハイム原発の議論が州議会で棚上げとなったことで、M氏が州政府に恩を売ったという噂もあります。真相はわかりません。
M氏は罪に問われることもなく、また反省することもなく、この後も同様の事件に5~6件ほど関わっていくのですが。。。そちらは、また改めて。
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